academia_kv_0817.jpg

JAPAN CLOUDでは、2020年9月から全5回の計画で「“外資SaaS”マーケター養成講座」を実施しています。この講座は、JAPAN CLOUDの支援企業の立ち上げ経験を基に、外資SaaSのマーケティングのプロフェッショナル人材を育成することを目的として実施するものです。その開講に先立ち、9月7日に「外資SaaSマーケターのキャリア」と題したオンラインセミナーが行われました。この記事は同セミナーの前半の内容をまとめたものになります。

講座のプログラムや講師の略歴は公式サイトをご覧ください。
公式サイト:https://www.japancloud.jp/academy-5days

​目次

 

グローバル企業のオペレーションから学ぶ

第1部では福田康隆(ジャパン・クラウド・コンサルティング CEO、JAPAN CLOUD パートナー)が登壇し、過去の自身の経験から外資系SaaSの会社のカントリーマネージャーが社長として、マーケターに期待することについて語りました。

福田によれば、外資系日本法人立ち上げ期のポイントは大きく2つあります。一つは本社のオペレーションを理解すること、もう一つが日本の市場環境を分析することです。しかし、実際には日本市場の特殊性を理由に、独自のオペレーションを押し通そうとして伸び悩むことがよくあります。この落とし穴に陥らないようにするには、グローバル企業の良いところを学び、日本市場にアジャストすることが求められるのです。

その例として紹介されたのが、マルケトの日本法人におけるエピソードです。マルケトが日本市場に進出した2014年は、日本ではMA(Marketing Automation)という市場カテゴリーの認知が浸透し始めたばかりの頃でした。米国本社としては「Engagement Marketing」という言葉でブランディングしたい。けれども、顧客はMAというキーワードで情報収集を行うので、本社の意向に沿った場合、ビジネス機会が失われる懸念がありました。その際、福田が思い出したのが、セールスフォース・ドットコム時代の経験です。2010年頃、グローバルで「Customer Company(顧客同士が繋がる)」のブランディングを進めたとき、SAPのお膝元ドイツでのビジネスが不振に陥ったことがありました。これをSFAに戻したところ、元の成長軌道に戻ることができた。その経験があったので、日本のマルケトでもMAで行くべきだと判断できました。

日本法人を立ち上げてから成長期に至るまでには、マーケターは多くの試行錯誤を繰り返さなくてはなりません。JAPAN CLOUDが取り組んでいるのは、支援している各企業の日々の実行内容と結果を比較し、原理原則を見つけることです。そこから学べる知恵と経験を一つのPlaybooksとしてまとめる計画を進めると同時に、マーケティング人材の育成にも貢献したいと考えています。そのためにJAPAN CLOUDは「“外資SaaS”マーケター養成講座」の開催を企画しました。

 

マーケティングはオーケストラの指揮者たれ

第2部のパネルディスカッションは、ゲストに柿野拓氏(株式会社コンカー マーケティング本部 本部⻑)と大徳貴子氏(ブラックライン株式会社 マーケティング本部 本部⻑)の2人を迎え、外資系SaaSのマーケターというキャリアについてディスカッションを行いました、聞き手を務めたのは、小関貴志(ジャパン・クラウド・コンサルティング SENIOR DIRECTOR OF CONSULTING)です。

小関

最初に外資系SaaSマーケターとして、現在の仕事からどんな学びを得ているかを教えてください。

大徳

会社を移ったばかりなので、一つ前のキリバの時に戻ってお答えすると、MAを基準に仕事をするように変わりました。MAが日本に来たのは2016年頃ですが、それ以前のマーケティングが勘と経験に依存するところが大きかったのに対し、MAでお客様の行動を可視化できるようになったことは大きな変化です。

小関

前職からキリバに転職したのは何がきっかけだったのでしょうか。

大徳

ダイレクトマーケティングをやりたいと思ったことです。それまではチャネルビジネスが中心で、パートナーと一緒にイベントをやっても、それがお客様の購買行動にどんなインパクトを与えたかがわからないもどかしさがありました。また、社内の関連部署との調整が多いことも、お客様とやり取りしているという実感を薄いものにさせていたと思います。

小関

一方で、社内を調整しながら仕事を進めるという意味では、セールスイネーブルメントにも通ずる大事な仕事ですね。その時に得たスキルは今でも役に立っていますか。

大徳

『THE MODEL』の本にもあるように、マーケティングはオーケストラの指揮者の役割を求められます。いろいろな人の力を借りて、一つのゴールに向かうという意味では社内コミュニケーションが重要です。その意味では調整を含めてインターナルマーケティングから学んだことも大きいと思います。

小関

柿野さんは、これはコンカーでなければ学べなかったと思うことはありますか。

柿野

前職のSAPが幅広い商材を揃えた営業ドリブンのモデルであるのに対し、コンカーのビジネス領域は経費精算・出張・請求書管理ととても狭く、単価も安い。B2Bのビジネスですが、アプローチは高級消費財に似ていると思います。その意味では、マーケティングとしてはコンカーの方が学びが多いと個人的には思います。

小関

もしキャリアの順番が逆で、SAPが後だったら柿野さんはどうなっていたと思いますか。

柿野

SAPで学んだビジネスバリューをどう作り、訴求するかという経験はコンカーに十分生かせていると思います。仮に逆のキャリアだとすると、コンカーの体験をSAPに反映できるか?のチャレンジをすると思います。市場は変化し続けますし、扱う商材にも特性があります。勝てるポジションで勝負できるように会社全体を整えていくマインドと姿勢がマーケティングには求められていると思います。

 

米国本社から学べること

小関

お二人とも比較的規模が大きい組織でのご経験がありますが、その経験はこれから成長するスタートアップでどう活かせると思いますか。

柿野

私が入社したばかりの頃のSAPジャパンの社員数は400人程度で、福田さんの話で言えば、成長期から成熟期までを経験しました。その後、コンカーで日本法人の立ち上げ期を経験し、再び成長期と成熟期を経験しています。2014年にコンカーはSAPと経営統合されていますが、両社の特性を理解しながら、自分の振る舞いや組織をどうマネジメントすべきか?など貴重な体験することができました。私は与えられた環境で頑張ろうと思うタイプですが、いずれ限界がやってきます。そんな時は会社を飛び出して環境を変えてみた方が早いケースもあると思います。

大徳

ミズノ時代の社員数は3000人ぐらいだったでしょうか。その1人であることに誇りを持って仕事をしていました。オリンピックがある時はワクワクしましたし、最初の配属がウェアの企画だったこともあり、商品を作る過程から展示会での見せ方に至るまで様々なことを学びました。特にミズノは確立されたブランドを持っている会社です。スタートアップに来て、ブランド認知度の低いところからのスタートでもその経験を活かせると考えています。

小関

会社の規模に関わらず、立ち上げ期から成熟期まで、どのフェーズを経験したか、そして次にどのフェーズを経験したいかということがポイントとなりそうですね。では、SaaSベンダーのマーケターだから学べることはありますか。

柿野

私は日本企業で働いた経験が、残念ながらありませんが、最先端のマーケティング理論が生まれ、実績も伴っている市場が米国市場です。日本で展開される最新のマーケティング手法は米国で数年前に展開されているケースが多いと思います。日本でゼロから考えることも余裕があればすべきだと思いますが、外資系SaaSの会社であれば、米国での最先端のマーケティング理論と手法をいいとこ取りして、日本市場で実践すべきだと私は思います。うまくいってもいかなくても、グローバル市場との違いを自分なりに理解できますし、日本市場を冷静に見る目が養われます。

小関

確かに米国本社のマーケターには、素晴らしいスキルの持ち主が多いと感じます。

大徳

外資系というより、SaaSのビジネスはお客様が満足してもらえないと続かないサブスクリプションモデルであることが、マーケティングのプロセスを「売って終わり」ではないものにしていると思います。会社全体で満足度を高め、継続的に使ってもらう。マーケティングがそこまで踏み込んで考えていかなくてはならない。例えば、コミュニティ活動にまで踏み込む必要があると感じます。

小関

私自身、マーケティングをやったことがないのに部門を任された経験があります。当時は広告、イベント運営、ブランディングの知識がない自分にできるのかと思いましたが、今ならばそれは狭い領域のマーケティングの話だったとわかります。SaaSの会社のマーケティングの役割には、リード獲得だけでなく、インサイドセールスに頑張ってもらうこと、営業につなぐこと、利用を継続してもらうことも含まれます。マーケティングがその全てやるわけではありませんが、目を配る範囲が広いのはSaaSのビジネスモデルだからこそですね。

JAPAN CLOUDからのお知らせ

 

◇ インサイドセールス養成講座のご案内

次回、インサイドセールス養成講座を11月開催。こちらをご覧ください。

https://www.japancloud.jp/academy-insidesales

 

◇ Special Interview

JAPAN CLOUDを創設したアレン・マイナー氏とアルナ・バスナヤケ氏に、福田 康隆氏がスペシャルインタビュー。JAPAN CLOUD創設から今後の展望まで、その哲学や実績について訊いた。https://www.japancloud.jp/allen-aruna

 

◇ Newsletterに登録しませんか?

Newsletterにご登録いただくと、ITソリューションの最新動向や、Sales/Marketing/Managementに関する各種イベントやメディア掲載の情報等を定期的にお送りさせていただきます。https://www.japancloud.jp/newsletter

jcc_img02.png

Newsletterに

登録しませんか?

Newsletterにご登録いただくと、ITソリューションの最新動向や、Sales/Marketing/Managementに関するplaybook、各種イベントの情報等を定期的にお送りさせていただきます。

webmtg.jpg

キャリア説明会を

定期的に開催中

JAPAN CLOUD関連会社にどのようなオポチュニティがあるのか毎月Zoomにて説明会を実施しております。ご参加をお待ちしております。

©JAPAN CLOUD

18F Midtown Tower, Tokyo Midtown,9-7-1 Akasaka, Minato-ku, Tokyo 107-6218

Tel: 03-4590-1570 

  • White LinkedIn Icon
  • White Facebook Icon
jc_logo.png